必要?・・何か1つ飛びぬけたもの

大阪高槻 子育て相談サロンMiyabi 代表のかとうひろみです。
週末、息子たちとお彼岸のおまいりに行ってまいりました。会うなり、「これ、ホワイトデーのお返し」と、長男がお菓子をくれました(^^♪


何てことのない出来事ですが、私にとっては人生のご褒美のように感じます。特性を持っている長男が、皆さんのサポートを受けながら毎日お仕事をして、自分でご飯を食べ、電気代やガス代も払い、残ったお金で私にお菓子を用意してくれた。

こんな嬉しいことないってくらい、ありがたいのです。いやいや、我が子に対してハードル下げ過ぎじゃない?って思う方もいらっしゃるかもしれませんが、本当にそうなのです。

我が子が毎日を健やかに暮らしてくれているだけで、涙がでるくらい嬉しい。そして母へのホワイトデーにまで気をまわせるようになった・・ほんとに泣けちゃうのです。

それって長男自身が今しあわせだから、心が豊かだから、自分以外の人に贈り物ができるのですから。ああ、感謝。

さてさて、今日は、何か1つに秀でてほしいという親の期待についてお話してみたいと思います。

まだ子どもが幼かった頃。同じ年齢の子を持つママ友と話していて「勉強は別にできなくてもいいの。何か1つ飛びぬけてできるものが見つかれば、それでいい。」とおっしゃる方がいました。

“何か1つでも飛びぬけてできるものがあればいい”って、わりとよく聞きますよね。特に今は、何かに特化して知識があったり長けていたりすること自体に特別感を持っている人も多いと思います。

でも・・何か1つ飛びぬけるって、なかなか大変💦というか、そうそう飛びぬけられるもんなんだろうか??

その方はきっと、勉強の出来不出来にこだわらず、うんとハードルを下げて子育てしようと思っていると伝えたかったのだと思います。

でも、何か1つでも飛びぬけてできることを求められるってのも、子どもにとってはしんどいものになりかねない。

勉強ができる・できないも、何かに飛びぬける・飛びぬけないも、考え実行するのは子ども自身。勉強に力を入れようがスポーツを頑張ろうが、はたまた何も頑張らないのだって子どもが決めるべきことなんですよね。

私たち親は、多くは望まないからせめてこのラインまでは・・という理想像を、なんとなく子どもに期待しています。

期待すること自体が悪いのではないですが、その期待を押し付けてしまうと、親子関係のバランスが崩れちゃったりもします。

そもそも、何か1つに没頭して頑張ることって、大人であっても誰にでもできることじゃない。よほど好きなことであったり、目標があってそこに到達したい理由がないと続けられませんよね。ましてやその分野で飛びぬけるまでいくのは至難の業。

また、その何か1つを見つけるために、いろいろな習い事をさせる親御さんは多いです。様々な体験をするって子どもにとってはすごく良いので、親の労力と経済面が許すのであればどんどんやらせてあげて良いと思いますが、それでもその中から”何か1つ”が見つからないときだってあります。

その際に、子どもに対してがっかりしたり、「あんなにいろいろやらせてきたのに」と失望するのであれば、本末転倒ですね。何か1つを見つける必要って、実はないのだと思いますよ。

それよりも、「何にも飛びぬけなくたって毎日がとーってもしあわせ」って、我が子が思えていることの方が大事ではないでしょうか。

何か1つを探すために親も子も迷走し続けていると、子どもが大人になったとき、「自分には何もない。誇れることがない。」と思ってしまうかもしれないからです。

大人だって、「何か自分だけの武器を手に入れなければ」と焦っている人も多いです。でも、それって本当に必要なのでしょうか。人より長けている何かを持っているのは素晴らしいこと。でも安心材料にするのは危険です。何か1つ長けている=武器、と考えないでほしいのです。



何か1つを持っていない間はそれを探しつづけますが、身につけたとたんに、それを他人が超えてくるんじゃないか、もっと長けている人が出てくるんじゃないか、とまたまた焦るだけだから。

何か1つを持っていることは、その人の特別な部分ではありますが、生きていくのに特別を狙う必要は全然ありません。そもそも誇れる部分って、人に抜かれたからって消えるものではないからです。

たまたま好きなものに出会えて夢中になって上達する。他の人より上手くなって自分がどんどん輝く。
そういった魅力になるものなら、何か1つを追い求めるのも良いでしょう。

でも逆に、何か1つを、生きていくうえでなくてはならないものとしてしまったり、それがなければ何もない・・と自分の価値を計るものになるのなら、追い求めないほうが良いと私は考えます。

決して特別を探す必要はありません。それを探すことに必死になって、今日のしあわせを感じられないまま毎日を過ごすことのほうがもったいないし、怖いことです。

私がお話を伺ってきた人も含め、子どもたちだけでなく、大人も心の健康を保てなくなっている人がとっても増えています。ほとんどの方は、今この瞬間のしあわせを見ることよりも、過去のつらさや先々の不安に心を侵食されておられます。

武器なんてなくていい。闘う必要もありません。ましてや子どもにそんなものを装備させなくても良いのです。でも、どうしても特別秀でている何かを身につけさせたいのであれば、まずは毎日を笑顔で過ごす心の余裕をあげること。人が自分の好きなことを見つけるのは、眉間にしわを寄せているときではなく、笑顔のときですから(^^)

それでも、我が子の未来のために焦ったり悩んだりするときは、是非お話しにお越しくださいね。
いつでもお待ちしていますよ。