子どもにとっての“素敵な大人”って?
大阪高槻 子育て相談サロンMiyabi 代表のかとうひろみです。
いよいよ桜が満開ですね。今日は入学式帰りの親子の姿をあちこちで見かけました。
変化が苦手なうちの子が幼い頃は、この時期は心配と不安で親の私は気が重かったものです。
今はその心配をしなくても良くなったのに、その頃の感覚を脳が覚えているのか??この時期はなぜだか心がふわふわと不安定な感じがします。
とはいえ、わずか1週間ほどしか満喫できない桜の美しさを楽しみたい!と、先日は京都の醍醐寺へでかけました。今週は原谷苑まで足を延ばすつもりです(^^♪

さてさて、昨日は小学校時代の恩師からお電話をいただきました。娘さんのご出産でこちらの方にいらっしゃているので、会えたらいいなとご連絡をくださったのです。
私、嬉しくて胸がいっぱいになりました。その先生は、私が小学校3年生の頃の担任の先生でした。明るくて優しくて、私にとっては素敵なお姉さんのようで、いつもピンクの口紅をつけておられたのが印象的でした。休み時間に遊んでくださったことを今でも覚えています。
先生は、夏休みの絵日記(約40日分)全てに目をとおしてコメントを書いてくださっていました。家族で梨を食べた、といったような何てことない絵日記にも「たくさん食べてお腹痛くならなかったかな。」と優しいコメントを添えてくださいました。
あれから45年という年月が流れましたが、今でも先生が私のことを思い出してくださることが何より嬉しいのです。
なので、今日は「子どもにとっての素敵な大人」についてお話したいと思います。
まず、素敵な大人ってどんな大人でしょう。
“素敵な人”という言葉で表すなら、人それぞれ感覚が違うので、
品がある、穏やかである、いつも優しい、おしゃれである、人の悪口をいわない、などなど・・
各人憧れる要素を持っている人を“素敵な人”と位置づけると思います。
ただ、子どもからみた“素敵な大人”って??
自分が今まさに子どもをやっているわけではないので、絶対にこうだ、とは言えませんが
私が思う“子どもからみた素敵な大人”とは、
子どもを子ども扱いしない人ではないかと思うのです。
いや、子どもは子どもなんだから、子ども扱いするでしょ?と反論を受けそうですが、たいていの子どもは、大人からの子ども扱いを望んではいないものです。
我々大人は、子どもたちに「チャレンジ精神を持ってほしい。」「あきらめない人になってほしい。」と願いながら子育てをしますが、
ついつい何らかの局面にたったときには、「子どもは経験値がないのだから、まずは親が思う正解を聞いていればいい。」と、子ども扱いしてしまいます。
危険回避や失敗をさせたくないのは、愛する子どもへの愛情の気持ちからなので、全てがNGではないのですが、親の正解を押し付けられるのは、子どもにとっては非常に迷惑で面倒くさいものなのです。

私たち大人はたくさん経験値がある分、「どうすればより安全か」「何が効率的か」「なんて言えば円満にいくか」などの自分なりの正解を持っています。
だからこそ、子どもが何かをするときには、その正解を教えてあげたくて仕方ない。「いいから、こうしてみてごらんよ。うまくいくんだから」って言いたくて仕方ないのです。
子どもにとって、それはありがたいアドバイスであると同時に、「そんなことはわかっている。でも、そうもいかんのよ!」ってことが多いのも事実。
特に人間関係のことについては、「何もわかってないなぁ。正論じゃないんだよなぁ。」って、大人と同じように内心つぶやいているものなのです。
例えば、服装ひとつとっても、大人から見て気候に合っていない服装や、決して良くは見えない服装でも、子どもたちの間では、その時はそれが良かったりもして。
「そんな変な服装やめなさい。」と言えば言うほど、今度は家を出てからこっそり服装を着替えるという手間が増えるだけ。
お友達関係のトラブルについても、「そんな子と付き合うことはないよ。もう付き合いやめなさい。」と言われたって、そうはいかない社会が子どもの目の前にはあるもので・・。
じゃあ、何もアドバイスしちゃいけないのか?ってわけでもありません。子どもにとって親や周りの大人に頼ることができるというベースは大事。
でも、子どもなんだからという姿勢で向き合うと聞いてくれる耳を持たなくなりがちなんですよね。だから・・
大事な親友の話を聴くように、向き合う。
これ、とっても重要です。まずは話を真剣に聴かせてもらい、「私になにかできることある?」そんな言葉とともに一緒に考えてくれる存在。
そんな大人が子どもにとっては心地よい。日常生活に支障をきたすほど悩んでいるような場合は除いて、この向き合い方は子どもにとって程よく安心なのです。
あんたは子どもなんだから・・という姿勢が見えると、なんとなく「そっち側(大人側)の人」というような隔たりを感じます。でも、子ども扱いせずに、1人の大事な人間として対応してくれると、子どももその大人を信頼してくれるんですね。
私自身、子どもの頃に親から「親のいうことを聞いとけば間違いないんやから」と言われたとき、すごく残念な気持ちになったと同時に、
「わかってないなあ」とも思いました。子どもながらに「大人が見えている子どもの世界はそんなもんじゃないのよ」って逆に大人感覚になって。
なのに、自分が大人になってからは我が子に対し、子ども扱いしまくっていました。あなたたちは子どもなんだから、大人の庇護のもとにいるんだから、という姿勢見せまくりでしたね。
子どもの世界ややることに、大人がどの程度介入したり、口を出したら良いのかって難しいけれど、子どもを子ども扱いしすぎるのは、ある意味差別的なものかもしれませんね。
子どもに限らず、どんな相手と接するにも、自分の中の正解をガンガン押し付けないってことも意識していかなくちゃ。そんなふうに思います。
うちの息子はアラサーですが、今でも親の私は「口出したい、アドバイスしたい、手伝いたい」という気もちに駆られます。でも、ぐっと我慢。まずは何に困っているのか現状をよく聞く。そのうえで、「なにかできることある?」と、親友のように向き合っていきたいと思っています。
子どもにとっての素敵な大人。一緒に目指していきたいですね。
